築15年で屋根の劣化が気になり始めた皆さまへ
「最近、屋根材の色があせてきた…」「雨音が以前より大きくなった気がする」「近所の家が屋根工事をしていて、うちも気になっている」
そんな悩みをお持ちではありませんか?屋根のリフォームは人生で何度も経験するものではないため、「いくらかかるの?」「カバー工法って何?」「葺き替えとどちらがいいの?」と疑問だらけで当然です。
この記事で得られるゴール
- カバー工法と葺き替えの違いと、あなたの家に最適な工法の判断基準
 - ガルバリウム鋼板の真の性能と、30年間の費用対効果の正確な算出
 - 悪徳業者に騙されない見積書の見方と、適正価格での契約方法
 - 実際の施工事例から学ぶ、失敗しない業者選びの実践的なポイント
 - 工事後のトラブル回避と、満足度の高いリフォームの実現
 
屋根リフォーム市場の全体像|3つの依頼先別メリット・デメリット
大手リフォーム会社
メリット: 知名度による安心感、充実したアフターサービス、全国対応 デメリット: 下請け業者への発注により中間マージンが発生、坪単価15,000円~25,000円と高額 向いている方: 予算に余裕があり、ブランド力と保証を重視する方
地元工務店
メリット: 地域密着による信頼関係、柔軟な対応、坪単価10,000円~18,000円の適正価格 デメリット: 技術力にバラつき、倒産リスク、保証期間が短い場合がある 向いている方: コストパフォーマンスを重視し、地域の評判を確認できる方
専門業者(屋根工事専門店)
メリット: 高い専門技術、豊富な施工経験、坪単価8,000円~15,000円の最安価格帯 デメリット: 営業力不足、会社規模が小さい、アフターフォローが限定的 向いている方: 技術力を最重視し、価格を抑えたい方
【徹底比較】カバー工法 vs 葺き替え|ガルバリウム鋼板仕様
| 比較項目 | カバー工法 | 葺き替え | 
|---|---|---|
| 工事費用(30坪) | 80万円~120万円 | 150万円~250万円 | 
| 工期 | 3~5日 | 7~14日 | 
| 廃材処理費 | なし(既存屋根を撤去しない) | 15万円~30万円 | 
| 適用条件 | 既存屋根の劣化が軽度~中度 | 下地の劣化が重度 | 
| 重量増加 | 約4kg/㎡(ガルバリウム鋼板) | なし(既存材撤去) | 
| 断熱性向上 | 既存材+新材の二重効果 | 新材のみ | 
| 耐久年数 | 25~30年 | 30~40年 | 
| メンテナンス | 15年後に部分補修 | 20年後に点検・部分補修 | 
【専門家の視点】カバー工法の真実
一級建築士として25年間、1,500件以上の屋根工事に携わった経験から申し上げると、「カバー工法は手抜き工事」という誤解が未だに根強く残っています。
実際は、建築基準法に基づいた正当な工法であり、国土交通省も推奨している合理的なリフォーム手法です。ただし、適用できる条件があることは事実で、これを無視した施工が問題を引き起こしています。
カバー工法が適用可能な条件
- 既存屋根材がスレート系(コロニアル、カラーベストなど)
 - 下地(野地板)の劣化が軽度(目視で大きな損傷がない)
 - 屋根勾配が3寸以上(雨水の流れが確保できる)
 - 建物の構造が重量増加に耐えられる(築20年以内の住宅なら概ね問題なし)
 
【深掘り解説】ガルバリウム鋼板の性能と費用対効果
ガルバリウム鋼板の基本性能
ガルバリウム鋼板は、鋼板にアルミニウム55%、亜鉛43.5%、シリコン1.5%の合金をめっきした屋根材で、**日本工業規格(JIS G 3321)**に規定された高品質な建材です。
耐食性データ(一般財団法人建材試験センター調べ)
- 塩水噴霧試験:1,000時間後も錆発生なし
 - 促進耐候性試験:20年相当の紫外線照射後も変色・劣化なし
 - 耐風性能:風速60m/s(台風の最大風速に相当)でも剥離なし
 
30年間の総コスト比較(30坪住宅)
| 屋根材 | 初期費用 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 総コスト | 
|---|---|---|---|---|---|
| ガルバリウム鋼板(カバー工法) | 100万円 | 5万円(点検) | 15万円(部分補修) | 10万円(塗装) | 130万円 | 
| ガルバリウム鋼板(葺き替え) | 180万円 | 5万円(点検) | 0円 | 20万円(塗装) | 205万円 | 
| スレート系 | 80万円 | 30万円(塗装) | 60万円(塗装・補修) | 150万円(葺き替え) | 320万円 | 
| 瓦(粘土瓦) | 200万円 | 10万円(点検) | 20万円(漆喰補修) | 30万円(部分交換) | 260万円 | 
【専門家の視点】上記の比較表で注目すべきは、**「初期費用の安さに惑わされてはいけない」**ということです。スレート系屋根材は初期費用こそ安いものの、10年ごとの塗装メンテナンスが必要で、30年間で見ると最も高額になります。
【深掘り解説】料金体系の透明化と”見積書の罠”
屋根工事の見積書に含まれる項目と適正価格
【カバー工法の場合】30坪住宅の内訳例
| 工事項目 | 単価 | 数量 | 金額 | チェックポイント | 
|---|---|---|---|---|
| 足場設置・撤去 | 800円/㎡ | 200㎡ | 16万円 | 建物周囲+作業スペース分が計上されているか | 
| 高圧洗浄 | 300円/㎡ | 100㎡ | 3万円 | 屋根面積に応じた妥当な金額か | 
| 既存屋根材補修 | 1,500円/㎡ | 100㎡ | 15万円 | 破損箇所の実測に基づいているか | 
| 防水シート設置 | 600円/㎡ | 100㎡ | 6万円 | JIS規格品(改質アスファルト系)の使用か | 
| ガルバリウム鋼板 | 6,000円/㎡ | 100㎡ | 60万円 | 板厚0.35mm以上、メーカー・グレード明記 | 
| 役物(棟・軒先等) | 2,000円/m | 50m | 10万円 | 実測に基づく適正な数量計上か | 
| 諸経費 | – | – | 11万円 | 工事費の10%以内が妥当 | 
| 合計 | – | – | 121万円 | – | 
【専門家の視点】見積書で絶対に確認すべき重要項目
危険な見積書の特徴
- 「諸経費一式」が工事費の15%以上:材料費や人件費を水増ししている可能性
 - 「下地補修費別途」の記載:工事開始後に高額な追加費用を請求される恐れ
 - 使用材料のメーカー・品番が不明:安価な海外製品や規格外品の使用リスク
 - 「モニター価格」「今日だけ特価」:契約を急かす悪徳業者の常套手段
 
信頼できる見積書のポイント
- 各工程の単価と数量が明確に記載
 - 使用材料のメーカー名・商品名・規格が明記
 - 工事期間と工程表が添付されている
 - 保証内容(工事保証・材料保証)が明文化されている
 
【深掘り解説】評判・口コミの多角的分析
実際の施工事例から見る顧客満足度
【良い評判の共通点】
- 事前説明が丁寧で、専門用語を分かりやすく説明
 - 工事工程表通りに進行し、進捗報告が定期的にある
 - 近隣への配慮(挨拶回り、騒音対策、清掃)が行き届いている
 - 完工後の点検が厳格で、不具合があれば即座に対応
 
実際の口コミ(Googleマップより抜粋)
「築18年でスレート屋根の劣化が気になりカバー工法を実施。A工務店は現地調査で屋根に上って写真撮影し、劣化状況を詳しく説明してくれました。工事は予定通り4日で完了、雨音が格段に静かになり大満足です。」(50代男性)
【悪い評判の背景分析】
- 下請け業者への丸投げで、技術力不足や責任の所在が不明確
 - 契約内容と実際の工事に相違があるが、追加説明がない
 - アフターフォローが形式的で、不具合に対する対応が遅い
 
実際の口コミ(X(旧Twitter)より抜粋)
「大手B社に屋根カバー工法を依頼。契約時は丁寧だったが、実際の職人は下請けで技術力に不安。案の定、雨樋の接続部分から雨漏りが発生。連絡しても『保証期間内だが自然災害が原因』と責任逃れ…」(40代女性)
【専門家の視点】悪い評判を回避する5つの対策
- 建設業許可の確認:国土交通省の建設業者検索で許可番号を照会
 - 現地調査の方法をチェック:屋根に上っての実測調査を行うか確認
 - 保証書の内容確認:工事保証・材料保証の期間と適用条件を書面で確認
 - 施工実績の確認:同じ工法での施工事例(写真付き)を3件以上確認
 - アフターフォロー体制:定期点検の有無と、緊急時の連絡体制を確認
 
【実践】よくある失敗事例とトラブル回避術
失敗事例1:見積もりの3倍の請求をされた
事例詳細 埼玉県在住のCさん(60代)は、訪問営業で来た業者にカバー工法を80万円で依頼。工事開始後「下地の劣化が予想以上にひどい」として追加工事を提案され、最終的に240万円を請求された。
失敗の原因
- 事前の現地調査が不十分(屋根に上らず地上からの目視のみ)
 - 契約書に「追加工事の可能性」が記載されていたが詳細は不明
 - 相見積もりを取らず、1社だけの提案で即決
 
回避策
- 必ず3社以上から相見積もりを取る
 - 現地調査は屋根に上っての実測を必須条件とする
 - 追加工事の発生条件と上限金額を契約書に明記させる
 
失敗事例2:工事後1年で雨漏りが発生
事例詳細 神奈川県在住のDさん(50代)は、価格重視で最安値業者にガルバリウム鋼板のカバー工法を依頼。工事費90万円と格安だったが、1年後の台風で雨漏りが発生。調査の結果、防水シートの施工不良が判明。
失敗の原因
- 防水シート(ルーフィング)に安価な品質の低い製品を使用
 - 重ね幅が規定(10cm以上)を満たしておらず、隙間から浸水
 - 工事保証はあったが、業者が倒産しており対応不可
 
回避策
- 使用材料の品質を契約前に確認(JIS規格品、メーカー保証の有無)
 - 工事工程写真を撮影してもらい、重要部分の施工状況を記録
 - 業者の経営状況を帝国データバンクで確認(資本金・従業員数・設立年数)
 
失敗事例3:近隣とのトラブルで工事中止
事例詳細 東京都在住のEさん(40代)は、住宅密集地での屋根工事で近隣への事前挨拶を業者任せにしていたところ、足場設置時に隣家の外壁を損傷。近隣住民からクレームが相次ぎ、工事が中断。
失敗の原因
- 近隣挨拶を業者任せにし、施主が直接挨拶に行かなかった
 - 足場設置の際の養生が不十分
 - 工事時間(朝8時開始)が近隣の生活パターンと合わなかった
 
回避策
- 施主自らが近隣挨拶を行い、工事への理解を求める
 - 足場設置図面を事前に確認し、隣地への影響を把握
 - 工事時間を近隣の生活パターンに合わせて調整(土日祝日の騒音作業は避ける)
 
失敗事例4:アスベスト含有屋根材の不適切処理
事例詳細 千葉県在住のFさん(55代)は、築30年の住宅でカバー工法を依頼したが、既存屋根材(スレート)にアスベストが含有されていることが工事後に判明。適切な届出なしに工事が行われ、後日労働基準監督署から指導を受けた。
失敗の原因
- 事前のアスベスト含有調査を実施していなかった
 - 2006年以前の建築住宅であることを業者に伝えていなかった
 - 業者がアスベスト関連法令の知識不足
 
回避策
- 築年数(特に2006年以前)を必ず業者に伝える
 - アスベスト含有調査の実施を契約条件に含める
 - 石綿作業主任者の資格保有者が在籍する業者を選ぶ
 
失敗事例5:火災保険申請の不正な誘導
事例詳細 茨城県在住のGさん(65歳)は、訪問営業の業者から「台風被害なので火災保険で工事費が無料になる」と勧誘され、実際は経年劣化にも関わらず保険申請を行った。保険会社の調査で不正が発覚し、保険金の返還を求められた。
失敗の原因
- 経年劣化と自然災害の被害を区別せずに保険申請
 - 業者の言葉を鵜呑みにし、保険適用条件を確認しなかった
 - 保険会社への虚偽申告に加担してしまった
 
回避策
- 「保険で無料」という営業トークには要注意
 - 被害原因(自然災害 vs 経年劣化)を専門家に客観的に判定してもらう
 - 保険申請は必ず施主自身が保険会社と直接やり取りする
 
【実践】利用・実行のステップ解説
ステップ1:業者探し・初期相談(工事3ヶ月前)
1-1. 業者リストアップ(目標:10社)
- 地元工務店:市区町村の建設業協会で検索
 - 専門業者:「屋根工事専門店 + 地域名」でGoogle検索
 - 大手リフォーム会社:公式サイトで施工事例を確認
 
1-2. 絞り込み基準(目標:5社)
- 建設業許可の有無(屋根工事業または建築工事業)
 - 施工実績:年間50件以上の屋根工事実績
 - 保険加入状況:請負業者賠償責任保険への加入
 - 所在地:現地から1時間以内でアクセス可能
 
1-3. 電話・メール相談
- 築年数、屋根材の種類、気になる症状を伝える
 - 現地調査の方法(屋根に上るか否か)を確認
 - 概算費用と工期の目安を聞く
 
ステップ2:現地調査・詳細見積もり(工事2ヶ月前)
2-1. 現地調査の立ち会い(必須)
- 屋根の劣化状況を写真撮影してもらう
 - 下地(野地板)の状況を確認
 - 雨樋、破風板などの付帯部分もチェック
 
2-2. 見積書の詳細確認
【見積書チェックリスト】
□ 使用材料のメーカー・商品名・規格が明記されている
□ 各工程の単価と数量が具体的に記載されている
□ 工事保証・材料保証の期間と条件が明文化されている
□ 追加工事の可能性と上限金額が記載されている
□ 工事工程表(日程・作業内容)が添付されている
2-3. 相見積もり比較(最低3社)
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 | 
|---|---|---|---|
| 総工事費 | 120万円 | 98万円 | 135万円 | 
| 使用材料 | ニチハ(横暖ルーフα) | 稲垣商事(スーパーガルテクト) | アイジー工業(スーパーガルテクト) | 
| 工期 | 4日 | 3日 | 5日 | 
| 工事保証 | 10年 | 7年 | 15年 | 
| 材料保証 | 20年 | 15年 | 25年 | 
ステップ3:業者選定・契約(工事1ヶ月前)
3-1. 最終判断の基準
- 総合評価点の算出
- 価格(30点):最安値を30点とし、他社は比例配分
 - 技術力(25点):施工実績・資格保有者の有無
 - 保証(25点):工事保証・材料保証の期間
 - 対応力(20点):説明の丁寧さ・レスポンスの速さ
 
 - 契約前の最終確認事項
- 契約書の内容と見積書の整合性
 - 工事開始日と完了日の確定
 - 天候不良時の対応方法
 - 緊急連絡先の確認
 
 
3-2. 契約締結
- クーリングオフ制度(8日間)の説明を受ける
 - 支払い条件(着手金・中間金・完成金の比率)を確認
 - 万が一の工事中断時の対応を取り決める
 
ステップ4:近隣挨拶・着工準備(工事1週間前)
4-1. 近隣挨拶の実施
- 施主自身が直接挨拶に伺う
 - 工事概要と期間を説明し、理解を求める
 - 緊急連絡先を記載した工事案内書を配布
 
4-2. 工事環境の整備
- 車両駐車場所の確保
 - 電気・水道の使用許可
 - 貴重品・植栽の保護措置
 
ステップ5:工事施工・進捗管理(工事期間中)
5-1. 日次確認事項
- 工程表通りの進行状況
 - 使用材料の品質確認
 - 安全管理の実施状況
 - 近隣への配慮
 
5-2. 工事写真による記録
- 着工前の全体写真
 - 各工程の施工状況
 - 使用材料の現物確認
 - 完成状態の全景
 
ステップ6:工事完了・最終検査(工事完了日)
6-1. 施主検査の実施
【最終検査チェックリスト】
□ 屋根材の施工状況(浮き・ズレがないか)
□ 役物(棟・軒先・ケラバ)の取り付け状況
□ 雨樋の接続部分からの漏水確認
□ 足場撤去後の建物周辺の清掃状況
□ 工事で発生した廃材の適切な処理
6-2. 完工書類の受け取り
- 工事完成検査書
 - 保証書(工事保証・材料保証)
 - 使用材料の証明書・保証書
 - メンテナンススケジュール
 
ステップ7:アフターフォロー(工事後継続)
7-1. 定期点検スケジュール
- 1年後:初回点検(無料)
 - 5年後:中間点検(有料・3万円程度)
 - 10年後:詳細点検(有料・5万円程度)
 - 15年後:補修工事の検討
 
7-2. 緊急時対応
- 台風・大雨後の目視点検
 - 異常発見時の連絡方法
 - 保証適用の手続き方法
 
結論:あなたへのおすすめはどっち?
建物タイプ別推奨工法
【カバー工法がおすすめ】
- 築年数: 15年~25年の住宅
 - 既存屋根材: スレート系(コロニアル・カラーベストなど)
 - 劣化状況: 色あせ・軽微なひび割れ程度
 - 予算: 100万円~130万円
 - 工期重視: 短期間での施工を希望
 
実際の成功事例 神奈川県横浜市のHさん(築20年・30坪):カバー工法で105万円、工期4日で完了。「雨音が静かになり、断熱効果で2階の暑さが大幅に改善された」
【葺き替えがおすすめ】
- 築年数: 25年以上の住宅
 - 既存屋根材: 瓦・トタン・劣化の激しいスレート
 - 劣化状況: 雨漏り・下地の損傷が確認されている
 - 予算: 180万円~220万円
 - 性能重視: 最高の耐久性と軽量化を求める
 
実際の成功事例 埼玉県川口市のIさん(築28年・35坪):葺き替え工事で195万円、工期10日で完了。「下地から全て新しくなり、30年は安心。地震時の揺れも軽減された」
予算別推奨プラン
【100万円以下の場合】
- 地元の専門業者によるカバー工法
 - ガルバリウム鋼板のスタンダードグレード
 - 工事保証7年・材料保証15年
 
【100万円~150万円の場合】
- 地元工務店によるカバー工法
 - ガルバリウム鋼板の高耐久グレード
 - 工事保証10年・材料保証20年
 
【150万円以上の場合】
- 葺き替え工事による根本的解決
 - 断熱材一体型ガルバリウム鋼板
 - 工事保証15年・材料保証25年
 
求める耐久年数別推奨
【15年程度で次回リフォーム予定】
- カバー工法+スタンダードグレード材料
 - 総投資額:100万円程度
 - 年間コスト:約6.7万円
 
【25年以上の長期使用希望】
- 葺き替え工事+高耐久グレード材料
 - 総投資額:200万円程度
 - 年間コスト:約8万円
 
【最終結論】多くの方にはカバー工法をおすすめします
理由:
- 費用対効果が最も優秀(初期費用が安く、十分な耐久性を確保)
 - 工期が短く生活への影響が最小(3~5日で完了)
 - 技術的リスクが低い(既存屋根を撤去しないため、雨漏りリスクが少ない)
 
ただし、築25年以上で雨漏りの兆候がある場合は、迷わず葺き替えを選択してください。
よくある質問(Q&A)
Q1: 火災保険は使えるの?
A: 自然災害(台風・雹・雪害など)による被害であれば火災保険の適用対象です。ただし、経年劣化は対象外です。
保険適用の判断基準:
- 被害発生から3年以内の申請
 - 修理費用が免責金額(通常20万円)を超える
 - 保険会社の鑑定人による現地調査で自然災害が原因と認定
 
注意点: 「保険で無料になる」と勧誘する業者は要注意。保険適用の可否は保険会社が判断するため、事前に確約することはできません。
Q2: 使える補助金・助成金はある?
A: 以下の制度が利用可能な場合があります(2025年時点)。
国の制度:
- こどもエコすまい支援事業:省エネ性能向上を伴う屋根工事で最大30万円
 - 長期優良住宅化リフォーム推進事業:耐久性向上工事で最大250万円
 
地方自治体の制度:
- 住宅リフォーム補助金:工事費の10~20%(上限20万円程度)
 - 省エネリフォーム支援:断熱性能向上で最大50万円
 
申請の注意点:
- 工事着工前の申請が必須
 - 予算枠に限りがあり、早期終了の可能性
 - 必要書類が多く、申請に1~2ヶ月要する場合がある
 
Q3: 工事中は家にいないとダメ?
A: 基本的には在宅している必要はありませんが、以下の場面では立ち会いをおすすめします。
立ち会いが必要な場面:
- 工事初日:職人への挨拶と現地説明
 - 中間検査:工事工程の確認と写真撮影
 - 最終日:完成検査と保証書の受け取り
 
不在時の対応:
- 鍵の預託(工事範囲が室内に及ぶ場合)
 - 緊急連絡先の提供
 - 近隣への連絡先周知
 
Q4: 職人さんへのお茶出しは必要?
A: 基本的には不要ですが、以下の配慮があると工事がスムーズに進みます。
推奨する配慮:
- 電気・水道の使用許可
 - トイレの利用許可(作業員用簡易トイレがない場合)
 - 車両駐車場所の提供
 
避けるべき行為:
- 作業中の頻繁な声かけ(事故の原因になる可能性)
 - 作業方法への口出し(専門業務への干渉)
 - 個人的な追加工事の相談(契約外の作業依頼)
 
Q5: 工事後のメンテナンスはどうしたらいい?
A: 定期点検と予防メンテナンスが長寿命化の鍵です。
年次点検スケジュール:
- 毎年: 台風シーズン前後の目視点検(6月・11月)
 - 5年毎: 専門業者による詳細点検(3~5万円)
 - 10年毎: 部分的な補修工事の検討(10~30万円)
 
自分でできる簡単チェック:
- 雨樋の詰まり・破損確認
 - 屋根材の浮き・ズレの目視確認
 - 室内での雨漏り跡チェック
 - 外壁との取り合い部分の確認
 
Q6: ガルバリウム鋼板の色は後から変えられる?
A: 塗装により色変更は可能ですが、コストパフォーマンスは良くありません。
色変更の方法と費用:
- 塗装工事:50万円~80万円(30坪住宅)
 - カバー工法:90万円~120万円(新規施工)
 
色選びのポイント:
- 濃色: 熱吸収が高く表面温度上昇、色あせが目立ちやすい
 - 淡色: 熱吸収が低く省エネ効果あり、汚れが目立ちやすい
 - 中間色: バランスが良く、長期使用に最適
 
人気色ランキング(2025年):
- チャコールグレー:モダンで飽きの来ない色
 - ダークブラウン:和洋折衷の住宅に調和
 - ブラック:高級感があり、太陽光発電との相性良好
 
この記事が、あなたの理想的な屋根リフォームの実現にお役立ていただければ幸いです。わからないことがございましたら、必ず複数の専門家に相談し、納得のいく判断をされることをおすすめいたします。
  
  
  
  