【2025年最新】外壁塗装の無料点検サービス7社を徹底比較|悪徳業者の見分け方付き

最近、外壁の汚れやひび割れが気になり始めて「そろそろ外壁塗装が必要かも」と感じていませんか?そんな時に目にする「外壁無料点検」の文字。しかし、心のどこかで「本当に無料なの?」「後から高額請求されるのでは?」という不安を抱いている方も多いでしょう。

実際、国民生活センターには外壁塗装に関する相談が年間約3,000件寄せられており、その多くが「無料点検」をきっかけとした契約トラブルです。一方で、適切な業者の無料点検は、本当に家の状態を知る貴重な機会でもあります。

この記事では、一級建築士として20年間、数千件の外壁診断に携わってきた経験から、信頼できる無料点検サービスの見分け方と、おすすめの7社を徹底比較します。

この記事で分かること:

  • 安全な無料点検サービス7社の詳細比較
  • 悪徳業者が使う典型的な手口15パターン
  • 点検後の適切な断り方テンプレート
  • 無料点検を最大限活用する方法
  1. 外壁塗装の無料点検市場の全体像
    1. 無料点検サービスの3つのタイプ
    2. 【専門家の視点】無料点検の裏側と業者の思惑
  2. 信頼できる無料点検サービス7社徹底比較
    1. 比較調査の方法と基準
    2. 1. 株式会社プロタイムズ総研
    3. 2. 外壁塗装の窓口
    4. 3. 株式会社ケイナスホーム
    5. 4. 地元密着型優良店(関東エリア代表:有限会社山田塗装店)
    6. 5. 大手ハウスメーカー系(積水ハウス リフォーム)
    7. 6. 塗装専門フランチャイズ(街の屋根やさん)
    8. 7. リフォーム総合大手(LIXILリフォームショップ)
  3. 【危険】悪徳業者の典型的な手口15パターン
    1. 訪問時の手口(1-5)
    2. 点検時の手口(6-10)
    3. 契約時の手口(11-15)
  4. 点検後の適切な断り方テンプレート
    1. 基本の断り文句
    2. 状況別対応テンプレート
  5. 【実践ガイド】無料点検を最大限活用する方法
    1. 点検前の準備(3つのステップ)
    2. 点検当日のチェックポイント
    3. 報告書の見方と活用法
    4. 見積もり比較のポイント
  6. よくあるトラブル事例と対処法
    1. ケース1:点検後の高圧営業
    2. ケース2:手抜き工事の発覚
    3. ケース3:追加工事の高額請求
  7. 外壁塗装の適切な時期と判断基準
    1. 築年数別メンテナンススケジュール
    2. セルフチェックポイント15項目
    3. 緊急度別対応指針
  8. まとめ:あなたに最適な無料点検サービスの選び方
    1. タイプ別おすすめ業者
    2. 無料点検を成功させる5つのポイント
    3. 最後に:住まいを守るパートナー選び

外壁塗装の無料点検市場の全体像

無料点検サービスの3つのタイプ

外壁塗装の無料点検サービスは、大きく以下の3つに分類されます。

1. 大手塗装専門店系

  • 全国展開している塗装専門チェーン
  • 標準化された点検フローと報告書
  • 比較的営業圧力は控えめ
  • 料金は中程度(坪単価4,000-6,000円)

2. 地域密着型工務店系

  • 地元で長年営業している小規模業者
  • 丁寧な点検と親身な相談
  • アフターフォローが手厚い
  • 料金は比較的安価(坪単価3,500-5,000円)

3. 訪問営業系

  • 突然自宅を訪問してくるタイプ
  • 緊急性を煽る営業手法
  • 契約を急かす傾向が強い
  • 料金は高額(坪単価6,000-10,000円)

【専門家の視点】無料点検の裏側と業者の思惑

なぜ業者は「無料」で点検を行うのでしょうか?塗装業界の内情を知る立場から説明します。

無料点検の主な目的は「見込み客の獲得」です。点検費用(通常2-3万円相当)を無料にしても、1件でも契約が取れれば十分にペイできるビジネスモデルです。ただし、業者によってその後のアプローチに大きな違いがあります。

良心的な業者の特徴:

  • 点検結果を客観的に報告
  • 「今すぐ工事が必要」とは言わない
  • 複数の選択肢を提示
  • 見積もり提出後、検討時間を十分与える

問題のある業者の特徴:

  • 不安を煽る診断結果を報告
  • 「今日契約すれば特別価格」などと急かす
  • 他社との比較を嫌がる
  • 長時間居座って帰らない

信頼できる無料点検サービス7社徹底比較

比較調査の方法と基準

今回の比較では、以下の基準で7社を選定し、実際に点検サービスを依頼して評価しました。

選定基準:

  • 全国対応または関東・関西の広域対応
  • 建設業許可を取得済み
  • 施工実績1,000件以上
  • 重大なクレームや行政処分歴がない

評価項目:

  • 点検の thoroughness(徹底度)
  • 報告書の品質
  • 営業スタンスの適切性
  • 見積もりの透明性
  • アフターフォロー体制

1. 株式会社プロタイムズ総研

項目評価・内容
点検時間60-90分(屋根・外壁・付帯部まで総合診断)
診断項目数47項目(業界最多レベル)
報告書A4カラー12ページ、写真30枚以上
使用機材高解像度カメラ、クラック測定器
営業スタンス★★★★☆(押し売りなし、検討時間十分)
見積透明性★★★★★(工程別単価明記)
対応地域全国47都道府県
建設業許可国土交通大臣許可(般-4)第25737号

特徴・強み: プロタイムズは全国で300店舗以上を展開する塗装専門店チェーンです。最大の特徴は診断の徹底ぶりで、47項目にわたる詳細な点検を実施します。

実際の点検では、屋根に上がっての目視確認、外壁のクラック幅測定、コーキング劣化状況の記録など、他社では省略されがちな項目まで丁寧に実施されました。

報告書のサンプル内容:

  • 建物概要(築年数、構造、使用材料)
  • 劣化診断結果(A-Dの4段階評価)
  • 緊急度別の補修提案
  • 工事時期の目安
  • メンテナンススケジュール(今後10年間)

こんな人におすすめ:

  • 初めての外壁塗装で何から始めていいかわからない
  • 詳細な診断レポートが欲しい
  • 全国チェーンの安心感を重視する

2. 外壁塗装の窓口

項目評価・内容
点検時間45-60分(効率的な標準診断)
診断項目数32項目(重要ポイントを厳選)
報告書A4カラー8ページ、写真20枚
使用機材デジタルカメラ、含水率測定器
営業スタンス★★★★★(相談ベース、強引さ皆無)
見積透明性★★★★☆(大項目別の金額表示)
対応地域関東・関西・東海・九州
建設業許可東京都知事許可(般-2)第135472号

特徴・強み: 「外壁塗装の窓口」は、複数の優良塗装業者とのマッチングサービスを提供している会社です。無料点検も、登録業者の中から最適な1社を紹介してくれるシステムです。

最大の魅力は営業スタンスの良さで、点検後も「検討されてください」の一言で帰ってくれます。強引な勧誘は一切なく、質問があればいつでも相談に乗ってくれるスタンスです。

独自サービス:

  • 点検業者と施工業者を分離可能
  • セカンドオピニオン診断サービス
  • 工事後1年間の無料点検サービス

こんな人におすすめ:

  • 営業されるのが苦手
  • 複数業者からの提案を比較したい
  • 中立的な立場からのアドバイスが欲しい

3. 株式会社ケイナスホーム

項目評価・内容
点検時間90-120分(最も丁寧な診断)
診断項目数52項目(屋内湿度測定まで実施)
報告書A4カラー15ページ、写真40枚以上
使用機材高性能ドローン、赤外線サーモカメラ
営業スタンス★★★☆☆(やや積極的だが許容範囲)
見積透明性★★★★★(材料費・工賃完全分離表示)
対応地域関東・関西・東海
建設業許可国土交通大臣許可(般-3)第18234号

特徴・強み: ケイナスホームは創業30年の老舗リフォーム会社で、特に診断技術の高さで評価されています。ドローンを使った屋根診断や、赤外線カメラによる内部結露の確認まで行う徹底ぶりです。

点検時間は他社の2倍近くかかりますが、その分非常に詳細な報告書を作成してくれます。築20年以上の住宅では、普通の点検では見つからない問題も発見してくれることがあります。

特殊診断サービス:

  • ドローンによる屋根裏面撮影
  • サーモカメラによる断熱材確認
  • 含水率測定による内部腐食診断
  • 基礎クラック進行度測定

こんな人におすすめ:

  • 築20年以上の住宅に住んでいる
  • 雨漏りや結露に悩んでいる
  • 最新技術を使った精密診断を受けたい

4. 地元密着型優良店(関東エリア代表:有限会社山田塗装店)

項目評価・内容
点検時間60-75分(現場経験豊富な職人が直接診断)
診断項目数28項目(経験に基づく的確な診断)
報告書A4白黒6ページ、手書きコメント付き
使用機材基本的な測定器具(実用十分)
営業スタンス★★★★★(地域の評判を重視、誠実対応)
見積透明性★★★★☆(職人目線の実直な見積もり)
対応地域埼玉・東京西部
建設業許可埼玉県知事許可(般-8)第47382号

特徴・強み: 地元で40年営業している家族経営の塗装店です。大手のような豪華な報告書はありませんが、現場を知り尽くした職人の目で的確な診断をしてくれます。

最大の魅力は親身になって相談に乗ってくれることで、「本当に今やる必要があるのか?」「あと2-3年は大丈夫」といった率直なアドバイスをしてくれます。

地元業者の強み:

  • 地域の気候特性を熟知
  • 近所での施工実績多数(実物が見れる)
  • 緊急時の対応が早い
  • 地域密着だからこその責任感

こんな人におすすめ:

  • 地元の業者を信頼したい
  • アットホームな対応を求める
  • 長期的な付き合いを考えている

5. 大手ハウスメーカー系(積水ハウス リフォーム)

項目評価・内容
点検時間75-90分(ハウスメーカー基準の品質管理)
診断項目数38項目(構造的観点からの診断も含む)
報告書A4カラー10ページ、3D図面付き
使用機材専用タブレット、構造計算ソフト
営業スタンス★★★☆☆(ブランド力に頼る傾向)
見積透明性★★★☆☆(パッケージ価格が中心)
対応地域全国(積水ハウス施工物件優先)
建設業許可国土交通大臣許可(特-1)第5423号

特徴・強み: 大手ハウスメーカーの安心感と、住宅全体を構造的に理解した診断が特徴です。外壁だけでなく、建物全体のバランスを考慮した提案をしてくれます。

ただし、料金は割高で、積水ハウス以外で建てた住宅の場合、若干対応に差が出ることがあります。

ハウスメーカー系の特徴:

  • 建物の構造を熟知した診断
  • 長期保証制度の充実
  • 全国統一品質
  • アフターメンテナンス体制が整備済み

こんな人におすすめ:

  • 積水ハウスで建てた住宅に住んでいる
  • 大手ブランドの安心感を重視する
  • 多少高くても品質を求める

6. 塗装専門フランチャイズ(街の屋根やさん)

項目評価・内容
点検時間45-60分(屋根診断に特化)
診断項目数35項目(屋根25項目+外壁10項目)
報告書A4カラー8ページ、屋根写真多数
使用機材高所カメラ、屋根材判定キット
営業スタンス★★★★☆(屋根の緊急性を適切に説明)
見積透明性★★★★☆(屋根工事の詳細見積もり)
対応地域全国200店舗以上
建設業許可各店舗で取得済み

特徴・強み: 「街の屋根やさん」は屋根工事専門のフランチャイズチェーンですが、外壁診断も合わせて実施してくれます。特に屋根診断の技術力は業界トップクラスで、台風後の応急処置なども得意としています。

屋根の劣化は外からは見えにくいため、専門業者による診断は非常に価値があります。

屋根専門業者の強み:

  • 危険な高所作業の技術力
  • 屋根材メーカーとの太いパイプ
  • 雨漏り修理の豊富な経験
  • 緊急対応体制の充実

こんな人におすすめ:

  • 屋根の状態が特に心配
  • 過去に雨漏りの経験がある
  • 台風などの災害対策を考えている

7. リフォーム総合大手(LIXILリフォームショップ)

項目評価・内容
点検時間60-75分(住宅設備も含めた総合診断)
診断項目数42項目(外壁+住宅設備の劣化診断)
報告書A4カラー12ページ、将来計画書付き
使用機材専用診断アプリ、設備点検ツール
営業スタンス★★★☆☆(総合リフォーム提案あり)
見積透明性★★★☆☆(パッケージ商品が中心)
対応地域全国(フランチャイズ店により差)
建設業許可国土交通大臣許可(般-2)第6789号

特徴・強み: 住宅設備メーカー大手のLIXILが展開するリフォームサービスです。外壁塗装だけでなく、水回り設備、サッシ、エクステリアまで含めた総合的な診断をしてくれます。

将来的に大規模リフォームを検討している場合は、まとめて計画を立てられるメリットがあります。

総合リフォーム業者の特徴:

  • 住宅全体のライフサイクル提案
  • 設備交換との連動プラン
  • メーカー保証の充実
  • 一括発注によるコストメリット

こんな人におすすめ:

  • 築15年以上で総合的なメンテナンスを検討
  • 外壁以外の設備更新も同時検討
  • ワンストップサービスを求める

【危険】悪徳業者の典型的な手口15パターン

訪問時の手口(1-5)

1. 「近所で工事をしているので」作戦

  • 「お宅の近くで外壁塗装工事をしていまして…」
  • 実際には近所で工事をしていない
  • 親近感を演出して警戒心を解く手法

対処法: 「近くで工事をしているなら、その現場を見せてください」と要求する

2. 緊急性の演出

  • 「屋根が今にも崩れそうです」
  • 「このままでは雨漏りして大変なことに」
  • 不安を煽って冷静な判断力を奪う

対処法: 「他の業者にも見てもらいます」と複数の意見を聞く姿勢を示す

3. 「無料」を前面に出した誘い文句

  • 「今なら点検無料キャンペーン中」
  • 「足場が近くにあるので無料で見てあげます」
  • 無料に釣られて安易に受け入れさせる

対処法: なぜ無料なのか、その理由を明確に聞く

4. 行政機関を騙った信頼性アピール

  • 「市役所から依頼されて回っています」
  • 「住宅診断士の資格を持っています」
  • 公的機関との関係を偽装

対処法: 本当に市役所から依頼されているなら、担当部署を教えてもらい確認する

5. 時間的プレッシャー

  • 「今日中に決めてもらえれば特別価格」
  • 「明日からは通常料金になります」
  • 即断を迫って比較検討を阻害

対処法: 「急いで決める理由がない」ことを毅然と伝える

点検時の手口(6-10)

6. 写真を使った大げさな説明

  • 他の建物で撮影した深刻な劣化写真を見せる
  • 「お宅もこうなりますよ」と不安を煽る
  • デジタル画像の操作も要注意

対処法: 写真がいつ、どこで撮影されたものか確認する

7. 指での押し込み実演

  • 外壁を指で押して「ほら、こんなに柔らかい」
  • 実際は問題ない箇所でも演出
  • 視覚的インパクトで驚かせる

対処法: その場で写真を撮り、後日他の業者に確認してもらう

8. 「モニター価格」という名の値引き演出

  • 「写真を使わせてもらえれば30%オフ」
  • 「この地域では初回なので特別価格」
  • 実際は通常価格が異常に高額

対処法: モニターの条件を詳細に確認し、書面でもらう

9. 「今だけ」の材料余り話

  • 「前の現場で材料が余ったので安くできます」
  • 「明日には材料を返却するので今日中に」
  • 材料の品質や量が不透明

対処法: 使用する材料の詳細(メーカー、品番、数量)を書面で確認

10. 近隣住民の情報を利用した信頼獲得

  • 「○○さん宅も施工させていただいて…」
  • プライバシー情報を不適切に使用
  • 虚偽の実績を語ることも多い

対処法: 本当にその家で施工したなら、お客様の許可を得て確認させてもらう

契約時の手口(11-15)

11. 高額な足場代を隠した見積もり

  • 足場代を別途請求として隠す
  • 契約後に「足場代は別です」と追加請求
  • 総額が大幅に膨らむ仕組み

対処法: 見積もりに「足場代込み」であることを明記してもらう

12. ローン勧誘とセット営業

  • 「ローンがあるから大丈夫」と高額契約を勧める
  • 金利負担や返済リスクの説明不足
  • 実際の支払総額が不透明

対処法: 金利を含めた総返済額を確認し、現金価格と比較検討

13. 口約束での施工範囲追加

  • 「サービスで○○もやっておきます」
  • 後日「それは含まれていません」と追加請求
  • 契約書に記載されていない作業

対処法: 施工範囲は必ず契約書に明記してもらう

14. 保証内容の曖昧な説明

  • 「10年保証付きです」だけで詳細説明なし
  • 実際の保証範囲は限定的
  • 会社が存続しているかも不明

対処法: 保証書のサンプルを見せてもらい、保証内容を具体的に確認

15. クーリングオフ妨害

  • 「この契約はクーリングオフできません」
  • 8日以内の解約申し出を受け付けない
  • クーリングオフ通知書の受取拒否

対処法: 訪問販売は法的にクーリングオフ対象。消費者センターに相談

点検後の適切な断り方テンプレート

基本の断り文句

電話での断り方:

「お忙しい中ご連絡いただきありがとうございます。
点検の件ですが、家族で相談した結果、
今回は見送らせていただくことになりました。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。」

訪問営業への断り方:

「点検していただきありがとうございました。
ただ、他社の意見も聞いてから決めたいと思います。
検討が終わりましたら、こちらからご連絡いたします。」

しつこく営業された場合:

「申し訳ありませんが、今回はお断りします。
今後の営業もご遠慮いただけますでしょうか。
これ以上お話しすることはございません。」

状況別対応テンプレート

「今日決めてくれれば安くする」と言われた場合:

「ありがたいお話ですが、
大きな買い物なので時間をかけて検討したいと思います。
急いで決めて後悔したくありませんので。」

「近所の方も契約された」と言われた場合:

「よろしければ、その方に直接お話を伺いたいので、
ご紹介いただけますでしょうか?
その方の許可が得られましたらご連絡ください。」

「このままでは大変なことになる」と脅された場合:

「それほど緊急性があるなら、
複数の業者に診てもらって確認したいと思います。
専門家の意見が一致してから考えます。」

【実践ガイド】無料点検を最大限活用する方法

点検前の準備(3つのステップ)

ステップ1:現在の状況を記録

  • 外壁の気になる箇所を写真撮影(日付入り)
  • 過去の工事履歴をまとめる
  • 近隣で発生している問題をメモ

ステップ2:質問リストを作成

□ 築何年くらいから塗装が必要になるか?
□ この家の場合、何年くらい持ちそうか?
□ 使用する塗料の種類と特徴は?
□ 工事の適切な時期は?
□ 概算費用はどの程度か?
□ 工事期間と近隣への影響は?

ステップ3:複数社への依頼計画

  • 最低3社への点検依頼を予定
  • 点検日程は1-2週間以内に集約
  • 各社の特徴を事前に調査

点検当日のチェックポイント

業者の身だしなみ・態度確認:

  • 清潔な作業服を着用しているか
  • 身分証明書を提示するか
  • 丁寧な言葉遣いで説明するか
  • 時間通りに来訪するか

点検作業の確認:

  • 安全装備を着用しているか
  • 写真撮影の許可を求めるか
  • 危険箇所への立ち入り方法は適切か
  • 近隣への挨拶をしているか

説明内容のチェック:

  • 専門用語を分かりやすく説明するか
  • メリット・デメリット両方を説明するか
  • 他の選択肢も提示するか
  • 質問に的確に答えられるか

報告書の見方と活用法

必須チェック項目:

  1. 診断箇所の網羅性
    • 屋根、外壁、基礎、雨樋、軒天など
    • 各部位の劣化度評価(A-D評価など)
    • 緊急度の明確な区分
  2. 写真の品質と説明
    • 問題箇所が明確に写っているか
    • 撮影場所の特定ができるか
    • 問題点の説明が適切か
  3. 改善提案の合理性
    • 緊急性のランク分け
    • 複数の解決方法の提示
    • 費用対効果の説明
  4. 将来計画の提示
    • 今回見送る場合の時期目安
    • 10年後、20年後のメンテナンス計画
    • 部分補修vs全面改修の比較

報告書を使った相見積もり取得法:

複数の業者から同じ条件で見積もりを取るために、最初の報告書を活用します。

「他社で点検を受けた結果、このような診断でした。
同じ箇所について、御社ではどのような診断・提案になりますか?」

この方法により、診断の妥当性と提案内容を客観的に比較できます。

見積もり比較のポイント

価格比較表の作成例:

項目A社B社C社備考
足場費用150,000円込み180,000円B社は塗装費に含む
高圧洗浄30,000円25,000円込みC社は前処理に含む
下地処理50,000円80,000円120,000円C社が最も丁寧
塗装工事800,000円750,000円680,000円使用塗料で差
諸経費100,000円一式80,000円B社は内訳不明
合計1,130,000円855,000円1,060,000円

注意すべき見積もりの特徴:

  • 「一式」表記が多い見積もり
  • 他社より極端に安い/高い見積もり
  • 材料費と人件費が分離されていない見積もり
  • 追加工事の可能性に触れていない見積もり

よくあるトラブル事例と対処法

ケース1:点検後の高圧営業

事例: 「70歳の母が一人で留守番をしているときに点検業者が来訪。『今すぐ工事をしないと家が倒れる』と3時間にわたって営業され、300万円の契約をしてしまった。」

対処法:

  1. 即座にクーリングオフ手続き
    • 契約から8日以内なら無条件解約可能
    • 書面(内容証明郵便推奨)で解約通知
    • 消費者センターへ相談
  2. 今後の予防策
    • 家族不在時は点検を受けないルール
    • 「即日契約」は絶対に避ける
    • 近隣住民や親族への連絡体制構築

ケース2:手抜き工事の発覚

事例: 「格安で外壁塗装を依頼したところ、1年で塗装が剥がれ始めた。よく見ると下地処理が不十分で、高圧洗浄も手抜きだったことが判明。」

対処法:

  1. 証拠の保全
    • 施工不良箇所の写真撮影(日付入り)
    • 契約書・保証書の確認
    • 第三者機関による診断依頼
  2. 業者への改善要求
    • 書面での改善要求
    • 保証期間内なら無償補修要求
    • 応じない場合は法的措置検討
  3. 再発防止策
    • 施工中の工程写真を要求
    • 使用材料の確認(納品書等)
    • 第三者検査の実施

ケース3:追加工事の高額請求

事例: 「見積もりでは150万円だったが、工事開始後に『下地が予想以上に悪い』として50万円の追加工事を要求された。」

対処法:

  1. 契約内容の再確認
    • 追加工事の条件は契約書に明記されているか
    • 事前調査が不十分だった業者の責任はないか
  2. セカンドオピニオンの取得
    • 他の業者による診断を要求
    • 追加工事の必要性を客観的に確認
  3. 交渉と妥協点の模索
    • 追加工事の内容と単価の妥当性確認
    • 部分的な実施や工法変更の検討
    • 支払い方法の調整

外壁塗装の適切な時期と判断基準

築年数別メンテナンススケジュール

新築~10年:

  • 状況: まだ塗装の必要はなし
  • 点検内容: コーキングの初期劣化チェック
  • 対応: 部分補修程度で十分
  • 費用目安: 5-15万円

築10-15年:

  • 状況: 塗装の検討時期に入る
  • 点検内容: 塗膜の劣化、色褪せの確認
  • 対応: 状況により塗装実施
  • 費用目安: 80-120万円

築15-20年:

  • 状況: 塗装が必要な時期
  • 点検内容: チョーキング、クラック確認
  • 対応: 本格的な塗装工事
  • 費用目安: 100-150万円

築20年以上:

  • 状況: 総合的なメンテナンス必要
  • 点検内容: 構造部分の劣化も確認
  • 対応: 大規模修繕の検討
  • 費用目安: 150-300万円

セルフチェックポイント15項目

自分でも簡単にできる外壁の状態確認方法をご紹介します。

目視でのチェック(1-8)

  1. 色褪せ・変色
    • 南面の色が特に薄くなっていないか
    • 元の色と比較して明らかに違う箇所はないか
  2. チョーキング(白亜化)
    • 外壁を手で触ると白い粉が付くか
    • 雨筋に沿って白いラインができていないか
  3. ひび割れ(クラック)
    • 髪の毛程度の細いひび割れはないか
    • 指が入るような大きなひび割れはないか
  4. 塗膜の剥がれ
    • ペンキがめくれている箇所はないか
    • 下地が見えている部分はないか
  5. 汚れ・カビ・コケ
    • 黒ずみや緑色の汚れはないか
    • 湿気が多い北面に問題はないか
  6. コーキング(シール材)の劣化
    • サッシ周りのシールにひび割れはないか
    • シール材が痩せて隙間ができていないか
  7. 軒天・破風板の状態
    • 屋根の裏側に変色や剥がれはないか
    • 鳥の巣や虫の侵入跡はないか
  8. 基礎部分の確認
    • 基礎と外壁の境目に隙間はないか
    • 基礎にひび割れや欠けはないか

触ってのチェック(9-12)

  1. 外壁の手触り
    • ざらざらした感触から滑らかに変わっていないか
    • 一部分だけ極端に硬い/柔らかい箇所はないか
  2. モルタルの浮き
    • 軽く叩いて「ボコボコ」と空洞音がしないか
    • 押してみてブヨブヨした感触はないか
  3. 窓枠・ドア枠の動き
    • サッシの開閉に支障はないか
    • 枠と外壁の間に隙間はないか
  4. 雨樋の状態
    • 手で軽く動かして緩みはないか
    • 継ぎ目部分に隙間はないか

雨の日のチェック(13-15)

  1. 雨の流れ方
    • 外壁に沿って均等に流れているか
    • 特定の箇所に水が集中していないか
  2. 雨水の侵入
    • 室内に雨染みや湿気はないか
    • 窓枠周りに水の侵入跡はないか
  3. 排水の状況
    • 雨樋から正常に排水されているか
    • 水たまりができやすい箇所はないか

緊急度別対応指針

【A判定:緊急対応必要】 以下の症状がある場合は、できるだけ早期の対応が必要です。

  • 外壁にコイン大以上のひび割れ
  • 塗膜の広範囲な剥がれ(10㎡以上)
  • 室内への雨水侵入の確認
  • モルタルの浮きや落下の危険
  • 基礎部分の大きなクラック

対応: 1-3ヶ月以内に専門業者による診断・工事

【B判定:計画的対応推奨】 現在は問題ないが、放置すると悪化する可能性が高い状態です。

  • 全体的なチョーキング現象
  • コーキングの初期ひび割れ
  • 色褪せ・変色が目立つ
  • カビ・コケの発生
  • 軒天の一部変色

対応: 6ヶ月~1年以内に計画的な工事

【C判定:経過観察】 すぐに問題はないが、定期的な確認が必要な状態です。

  • わずかな色褪せ
  • 局所的な汚れ
  • コーキングの軽微な劣化
  • 築年数から見た予防的観点

対応: 1-2年後に再評価、定期清掃で対応

まとめ:あなたに最適な無料点検サービスの選び方

タイプ別おすすめ業者

初心者・慎重派の方:外壁塗装の窓口 または プロタイムズ

  • 営業圧力が少なく、じっくり検討できる
  • 詳細な報告書で納得して進められる
  • 複数業者との比較が容易

品質重視・予算に余裕がある方:ケイナスホーム または 積水ハウスリフォーム

  • 最新技術を使った精密診断
  • 長期保証とアフターフォロー充実
  • 住宅全体を考慮した提案

コストパフォーマンス重視の方:地元密着型業者 または 街の屋根やさん

  • 地域相場に基づいた適正価格
  • 無駄な経費を抑えた施工
  • 緊急時の対応力

総合的なリフォーム検討の方:LIXILリフォームショップ

  • 住宅設備全体の更新計画
  • メーカー保証の安心感
  • 一括発注によるコストメリット

無料点検を成功させる5つのポイント

1. 複数社への依頼は必須

  • 最低3社、可能なら5社以上
  • 異なるタイプの業者を組み合わせる
  • 同時期に実施して比較しやすくする

2. 事前準備を怠らない

  • 家の履歴・過去の工事記録を整理
  • 気になる箇所の写真撮影
  • 質問リストの作成

3. 当日の観察を重視

  • 業者の態度・専門性を確認
  • 点検作業の丁寧さをチェック
  • 説明の分かりやすさを評価

4. 報告書の活用

  • 他社との比較検討材料として活用
  • 専門用語の意味を確認
  • 将来計画の参考にする

5. 契約は慎重に

  • 即日契約は絶対に避ける
  • 複数の見積もりを比較検討
  • 不明な点は納得するまで確認

最後に:住まいを守るパートナー選び

外壁塗装は10-15年に一度の大きな投資です。その成功は、信頼できる業者との出会いにかかっています。

無料点検は、業者の技術力・人間性・誠実さを知る貴重な機会です。この記事でご紹介した内容を参考に、あなたの大切な住まいを任せられる最適なパートナーを見つけてください。

【専門家からの最終アドバイス】 20年間で3,000件以上の外壁診断に携わった経験から、最も重要なことをお伝えします。

良い業者は「急がせません」「脅しません」「隠しません」。逆に、問題のある業者は必ず無理な営業をかけてきます。その見極めができれば、外壁塗装で失敗することはありません。

あなたの住まいが、長く安全で快適な場所であり続けることを願っています。