外壁塗装をご検討中の皆様へ。この記事では、悪徳業者に騙されることなく、適正価格で信頼できる業者を見つけるための見積もり比較方法を詳しく解説いたします。
なぜ外壁塗装で3社見積もりが必要なのか?
外壁塗装は人生でそう何度も経験するものではありません。だからこそ、業者選びで失敗すると大きな損失につながってしまいます。実際に、3社程度から見積もりをとると、比較しやすくなります。1社のみの見積書だと、見積書の金額や工事内容が妥当なのか判断することは難しいでしょう。
外壁塗装で起こりがちなトラブル
私たち編集部が調査した結果、外壁塗装で最も多いトラブルは以下のようなものです:
- 相場よりも高額な費用を請求される
- 手抜き工事により数年で塗装が剥がれる
- 見積もりに記載されていない追加費用の発生
- 工事完了後に業者と連絡が取れなくなる
外壁塗装の業者選びに関する悩みや不安に直面している方もいらっしゃるのではないでしょうか。多くの方々がこうした悩みや不安を抱えてしまうのは、外壁塗装の業者選びをどう選べばいいのか、その方法を知らないことが原因です。
外壁塗装の費用相場を知っておこう
見積もりを比較する前に、まずは適正な費用相場を把握しましょう。相場を知ることで、法外な価格を提示する業者を見分けることができます。
坪数別費用相場表
住宅の坪数 | 外壁塗装費用相場 | 外壁+屋根塗装費用相場 |
---|---|---|
20坪 | 75万円~95万円 | 95万円~125万円 |
25坪 | 85万円~105万円 | 105万円~135万円 |
30坪 | 95万円~115万円 | 115万円~155万円 |
35坪 | 105万円~125万円 | 125万円~165万円 |
40坪 | 115万円~135万円 | 135万円~175万円 |
50坪 | 135万円~155万円 | 155万円~195万円 |
一般的な30坪の住宅で、よくある工事内容の見積書を紹介しています。外壁塗装の費用感を掴む参考情報として活用してみてください。
塗料グレード別の価格差
塗料の種類によっても費用は大きく変わります:
塗料の種類 | 単価(㎡あたり) | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 1,000円~1,800円 | 5~8年 | 最も安価だが耐久性が低い |
ウレタン塗料 | 1,700円~2,500円 | 8~10年 | バランスの取れた性能 |
シリコン塗料 | 2,300円~3,500円 | 10~15年 | コスパが良く最も人気 |
ラジカル制御型塗料 | 2,300円~4,000円 | 12~16年 | 新しい技術で高い耐久性 |
フッ素塗料 | 3,500円~5,000円 | 15~20年 | 高級塗料で長期間美観維持 |
3社見積もりの取り方【完全版】
ステップ1:業者の選定
見積もりを依頼する3社を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう:
避けるべき業者の特徴
- 突然の訪問営業
- 大幅な値引きを提案してくる
- 即日契約を迫る
- 「今だけ特別価格」などの営業トーク
悪徳業者は「今ならキャンペーン中でお安くできます!」とあおりながら、さらに「まもなくキャンペーンが終了します。今決めていただければ割引できますが、期間が終了したら割引できません」などとたたみかけてきます。
信頼できる業者の特徴
- 地域での実績が豊富
- 建設業許可を取得している
- 見積もり前の現地調査を丁寧に行う
- 質問に対して分かりやすく説明してくれる
ステップ2:同じ条件で見積もり依頼
相見積もりは必ず同じ条件を業者に伝えることが大切です。当然ですが条件が異なってしまうと、提出された見積書の内容も差異が発生してしまい、きちんとした比較ができなくなってしまいます。
統一すべき条件
- 使用する塗料のグレード
- 工事範囲(外壁のみか、屋根も含むか)
- 付帯部の塗装範囲
- 工事希望時期
ステップ3:現地調査の質をチェック
優良業者は必ず詳細な現地調査を行います:
チェックポイント
- 調査時間は60分以上かけているか
- メジャーで正確に面積を測定しているか
- 劣化箇所を写真で記録しているか
- 屋根や高所部分も確認しているか
点検の際に十分な時間をかけているかを確認しましょう。具体的には、外壁塗装の適切な点検は60分前後必要です。単に面積を測るだけでなく、劣化の状況を正確に把握するためです。
見積書の比較ポイント【項目別チェック法】
基本的な見積書の構成
優良業者の見積書には以下の項目が明記されています:
工事項目 | 単価目安 | チェックポイント |
---|---|---|
足場工事 | 800~1,200円/㎡ | 足場面積が適正か |
高圧洗浄 | 200~300円/㎡ | 洗浄範囲が明記されているか |
下地補修 | 1,000~5,000円/㎡ | 補修箇所が具体的に記載されているか |
外壁塗装(下塗り) | 600~1,100円/㎡ | 塗料名が明記されているか |
外壁塗装(中塗り・上塗り) | 塗料による | 3回塗りが前提になっているか |
付帯部塗装 | 項目による | 軒天、雨樋等の範囲が明確か |
危険な見積書の特徴
以下のような見積書は要注意です:
「一式」表記が多い見積書 なぜなら建物は一軒一軒の大きさが細かく変わってくるため、外壁塗装においてはきちんと計測した数量で出すことが求められるからです。「○○一式」は運搬費や諸経費など数えられない部分に適用します。
大幅な値引きがある見積書
- 通常100万円→特別価格50万円のような表記
- 理由なき大幅割引
- 「今日だけ」「あなただけ」といった限定感
塗料名が不明確な見積書
- 「シリコン系塗料」のみの記載
- メーカー名や商品名の記載なし
- 「オリジナル塗料」の推奨
実際の見積もり比較例
A社の見積書(優良業者)
■外壁塗装工事見積書
・足場工事:156㎡ × 1,000円 = 156,000円
・高圧洗浄:120㎡ × 250円 = 30,000円
・下地補修:クラック補修 5箇所 = 25,000円
・外壁塗装(シリコン塗料):120㎡ × 2,800円 = 336,000円
・付帯部塗装:軒天・雨樋・破風板 = 80,000円
・諸経費:50,000円
合計:677,000円
B社の見積書(要注意)
■外壁塗装工事見積書
・外壁塗装工事一式:1,200,000円
・特別値引き:▲600,000円
合計:600,000円
この例では、A社は詳細が明記されており信頼性が高い一方、B社は内訳が不明で大幅な値引きがあり、悪徳業者の可能性があります。
業者の対応力もチェック
見積書の内容だけでなく、業者の対応も重要な判断材料です:
優良業者の対応
- 専門用語を分かりやすく説明してくれる
- 質問に対して即座に回答できる
- アフターサービスの内容が明確
- 保証書を書面で発行する
工事中写真をもらえるのかどうか、事前にきいておきましょう。足場が立っているため、工事の様子はなかなか見えないからです。きちんと工程を守っているのか、契約書通りに進んでいるのかなど、途中経過の写真を撮影して報告をくれる業者は丁寧といえます。
悪徳業者の対応
- 契約を急かす
- 質問をはぐらかす
- 口約束を多用する
- 他県ナンバーの車で来訪
最終決定のための総合評価
3社の見積もりが揃ったら、以下の評価表を使って総合的に判断しましょう:
業者比較評価表
評価項目 | A社 | B社 | C社 | 重要度 |
---|---|---|---|---|
見積書の詳細度 | ○ | △ | ○ | 高 |
価格の適正性 | ○ | × | ○ | 高 |
現地調査の丁寧さ | ○ | △ | ○ | 高 |
営業担当の説明力 | ○ | △ | ○ | 中 |
会社の信頼性 | ○ | × | ○ | 高 |
アフターサービス | ○ | △ | ○ | 中 |
地域での実績 | ○ | △ | ○ | 中 |
よくある質問と回答
Q: 見積もりは何社取るのがベストですか? A: 3社程度から見積もりをとると、比較しやすくなります。一方で比較する見積もりが多すぎてしまうと比較対象も増えてしまうため、3社程度に留めておくことも大切です。
Q: 最安値の業者を選ぶべきですか? A: 必ずしもそうではありません。あまりにも安い業者は注意が必要です。工事を受注した後で追加工事が発生するなどして、結局他の業者よりも高くなってしまうということもあります。
Q: 見積もり後の断り方は? A: 相見積もりを取っていることを事前に伝えておけば、断ることは何ら問題ありません。相見積りをすること自体は、マナー違反ではありません。外壁塗装の業界では日常的に相見積りが行なわれており、実際に多くの施主(消費者)が相見積りを行なっています。
トラブル回避のための最終チェックリスト
契約前に必ず確認すべき項目:
契約書類関連
□ 見積書の内容に納得している □ 工事内容が詳細に記載されている □ 保証内容が書面で明記されている □ 工期が明確に決められている □ 支払い条件が妥当である
業者の信頼性
□ 建設業許可を取得している □ 地域での実績がある □ 担当者との相性が良い □ アフターサービスが充実している □ 口コミや評判が良い
まとめ
外壁塗装の3社見積もり比較は、適正価格で信頼できる業者を見つけるための必須プロセスです。価格だけでなく、見積書の詳細度、業者の対応、工事品質の確保など、総合的に判断することが重要です。
悪徳業者に騙されることなく、満足のいく外壁塗装を実現するために、この記事でご紹介した比較方法を活用してください。10年以上美しい外壁を保つための投資として、慎重に業者選びを行いましょう。
編集部からのコメント:外壁塗装は家の資産価値を保つ重要な工事です。安さだけに惑わされず、長期的な視点で業者選びを行うことをお勧めします。また、地域の信頼できる業者から情報収集することも大切なポイントです。
参考情報源
- 一般社団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
- 国土交通省住宅局
- 各塗料メーカー公式資料
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